January 06, 2006

一人称

英語含めて広く西欧語の人称代名詞は日本語のようには多様化していない。だから先生と話すときでも友達とタメ語で話すときでも"me"であるしやはり"you"である。日本人の感性からするとどうもこそばゆい思いが払拭できない。ところで日本語での人称代名詞というのは本当に多様で、TPOや気分や立場などによって七変化する。逆に欧米人からするとこれらを適材適所に活用するというのは困難であるようで、frankな同級生間の会話でもpublic presentationでも一様に私(わたし)と言う人をよく見かける。

ところでなぜ日本語でこのような発展があったのだろうか。それは日本語体系上で代名詞が距離を基軸に構築され、また人と人との関係性を精神面での距離間によって選んでいるからである。『あなた』と言えば相手を遠くに置くことで敬意を表し、子供を相手に『僕』と一人称を転化させて二人称として用いることで親しみを表す。
閑話休題。このような日本語上の文脈においてしばしば見られるものに一人称の非統一がある。例えば文章の冒頭では『僕』と書き、筆が乗ってきたあたりで『俺』といったり突然『私』と言ったりということである。確かに、日本語ではTPOなどによってこれらは柔軟に選択されるが同じ筆致の中で、または1つの主題の中でこれらが併用されるというのは今取りかかっている対象物との関係性が安定していないということであると思う。対象との関係を明確化し、また明瞭なままに保つためにやはり一定の一人称代名詞によって自己定義する必要があるのではないかと思う。

Posted by Samourai | Comments(0) | TrackBack (0)