November 20, 2005

ゼミでの議題の選び方

俺自身は純粋な工学系単科大学に居ながら、諸所の関心の行き所によって「現代の世界政治」なる少数ゼミを取っている。これは毎週担当の学生が世界の国の中から一カ国を選びその国の現状と議題を発表し、残り時間でその議題についての議論を交わすというようなものだ。先週の担当は俺だったので『チェチェンとロシア』をテーマに話した。これを要約するとチェチェンという小国はロシアの都合によってのみ長い歴史の中で蹂躙し続けられているというようなもので、その原因を『世論操作』と『主権委譲』とした。主権委譲というのはチェチェンがロシア共和国内の1自治国に入る契約をしてしまったことであり、現在あるようなEUやNAFTAや構想中の東アジア共同体のような枠組みが暴走の果てに小国を蹂躙する可能性は否定できない。

ここで俺は考えた。確かに色々な国の色々な現状について考察したり議論したりすることはそれなりに有意義だし刺激的なものでもある。だけど、自分たち日本人にとって本当に重要なことは日本の現状と将来ではないだろうか、と。だからあえてこの問題を日本に置き換えることを試みたのだ。そういうわけで「日本が地域主義の名の下に乗っ取られる可能性は?世論が操作されている可能性や将来に及ぶ危険性は?」(簡略)を議題とした。議論の中身については触れないが終わりに先生からの講評として議題の趣旨が本題からずれすぎていると言われてしまった。しかし、もちろん俺はこういう議題を選んだ理由についてはきちんと説明したし、先生からは自由に議題を選んで良いとも言われていた。

どうも、世の中には2種類の人間が居るらしい(またか)。あらゆる問題を自分に関するかどうかで考える人間と、単なる面白さのために追究する人間である。その先生や、もしかしたら参加していた学生のいくらかは後者だったのだろう。そして俺という人間は前者であった。今後、色々な問題にあたるにつけてこの分かちがたい溝は俺を、そしてあらゆる人を悩ませるだろうことを考えると頭が痛くなる。

Posted by Samourai | Comments(0) | TrackBack (414)