February 05, 2005

4章

41

君は一つの死体をかついでいる小さな魂にすぎない。

43

時というものはいわばすべて生起するものより成る河であり奔流である。
あるものの姿が見えるかと思うとたちまち運び去られ,
他のものが通っていくかと思うとそれもまた持ち去られてしまう。

48

絶えずつぎのことを心に思うこと。
すなわち如何におおくの医者が何回と無く眉をひそめて病人たちを診察し,
そのあげく自分自身も死んでしまったことか。
また如何におおくの占星術者が他人の死を何か大変なことの様に預言し,
如何におおくの哲学者経ちが死や不死について際限もなく議論を交わし,
如何におおくの将軍がおおくの人間を殺し,
如何におおくの暴君がまるで不死身でもあるかの様に恐るべき傲慢を持って生と死の暴力をふるい,
そのあげく死んでしまったことか。
また如何におおくの都市全体が,いわば死んでしまったことか,たとえばヘリケーやポンペイやヘラクラーネウムやその他無数の都市である。
その上また君自ら知っている人たちが次から次へと死んでいったのを考えてみよ。
或る人は他の人の湯灌をしてやり,それから自分自身他の人の手で墓に横たえられ,
つぎには別の人が墓に入れられた。
しかもこれがすべて束の間の事柄なのである。
要するに人間に関することはすべて如何にかりそめであり詰まらぬものであるかを絶えず注目することだ。
昨日は少しばかりの粘液,明日はミイラか灰。
だからこのほんのわずかの時間を自然に従って歩み,安らかに旅路を終えるがよい。
あたかもよく熟れたオリーヴの実が,自分を産んだ地を讃めたたえ,自分を実らせた樹に感謝を捧げながら落ちていく様に。

Posted by Samourai | Comments(0) | TrackBack (0)