January 23, 2005

山月記

今でも高い確率で大抵の高校現代文教科書に採用される作品の一つが
中島敦の『山月記』だと思う。
それというのは単にこの作品が文学的意味合いとして
優れたhumanismを発揮したからというだけではなく
高校生という記号に何らかの符帳を付けるというようなものであったように今更ながら思う。
端的にそれは「『臆病な自尊心』と『尊大な羞恥心』」とにあったと言えないでもないが
既に虎というそれに十二分に含まれるものでもある。

夏目漱石の『ひとり』もまた頻出の題材であったにも関わらず
『山月記』にだけそれだけのインパクトを受けたというのは
偏<ひとえ>に人生の好期に読む機会を得られたということだろう。

しかしながら,あの頃からあまり自分が変わっていないということが
やはり――と思わずに居られない自分が悲しい。
変わることが良いことなのか悪いことなのか,必要なことなのかすべきものなのか。
未だに何も分からないが。

Posted by Samourai | Comments(0) | TrackBack (0)