現在、癌は4~5段階程度のステップを踏んで悪性腫瘍となると考えられている。
■発癌刺激因子
化学的刺激 ……タバコ、高カロリーの食餌、食塩、カビなど
生物的刺激 ……ピロリ菌などの菌やHBV・HCVのようなウイルスなど
物理的刺激 ……紫外線、放射線、虫歯や入れ歯の舌への影響など
■発ガンへのステップ
□step1 : Initiation
定義:短期間に"不可逆的"なDNAへの変化
また、それを誘起する因子をInitiatorと呼ぶ。
Initiationが無ければ後述のPromotionを経ても癌化しない。
また、不可逆的であるが故に一度かかると再発の危険性が消えない。
□step2 : Promotion
定義:細胞の形状が物理的に変形すること、即ち腫瘍となることであり一般的に可逆的
また、それを誘起する因子をPromotorと呼ぶ。
Initiation無しに起こるPromotionでは俗に良性腫瘍と呼ばれる腫瘍が発生するのみ。
つまり不死性と異常増殖を伴わない。
□step3 : Progression
定義:Initiation-Promotionにより癌細胞が発生し異常増殖により悪性腫瘍ができること
一般的にはこの状態になって始めて癌だと認知される。
■各部位別癌死亡率
男性 女性
肺癌 21.4 12.3
胃癌 19.3 16.2
肝臓 13.7 8.7
大腸 11.0 13.2
膵臓 5.50 7.70
食道 4.90 -
子宮 - 4.60
その他 24.2 29.6
■将来の推計羅患率
男性では胃癌がトップを維持し、肺癌・結腸癌・肝臓癌が伸びる。
女性では胃癌は乳癌・結腸癌に抜かれ、肺癌・子宮癌・肝臓癌と続く。
■がん予防への勧告
□がんを防ぐための12カ条 (国立がんセンター)
(1) バランスのとれた栄養をとる(偏食しないように)
(2) 毎日、変化のある食生活を(例えば、カロチンはにんじんからだけでなく他の野菜からも取るように)
(3) 食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに
(4) 食べものから適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
(5) 塩辛いものは少なめに、熱いものはさましてから
(6) 焦げた部分はさける
(7) かびの生えたものに注意(特に、ナッツ類やとうもろこしにつくかびに要注意)
(8) お酒はほどほどに
(9) たばこは吸わないように
(10) 日光に当たりすぎない(紫外線を浴びすぎないように)
(11) 適度にスポーツをする(疲労とストレスをためないように)
(12) 体を清潔に(皮膚の汚れのたまりやすい部分を清潔に)
□国際がん予防15カ条 (米がん研究財団)
(1) 植物性食品を基本とし、多様な食物を食べる
多種類の野菜や果物、豆類、なるべく精製度を抑えたでんぷん質の 主食食品が豊富な食事を。
(2) 正常体重の維持
低体重や過体重を避け、成人期の体重増加を五キロ未満に抑える。
「成人のBMI(体格指数)は18.5~25に、理想は21~23」
(3) 運動の継続
体を動かすことが少ないか、動かしても中程度の職種の人は、一日 に一時間の速歩か、それに匹敵する運動、さらに週に少なくとも合計 一時間の活発な運動をする。
(4) 四季を通じ野菜・果物を豊富に
総エネルギーの七%以上を多種類の野菜・果物類で、量は一日あたり四百―八百グラム摂取する。
(5) 多種類の穀類、豆、根菜類を
総エネルギーの45~60%をでんぷん・植物性たんぱく質食品から摂取。これは一日六百―八百グラム(調理した重量)に当たる。また、精製した砂糖の使用を抑える。
(6) アルコール類の飲用は勧められない
飲酒する場合は一日平均で、男性は2ドリンク(日本酒一合)、女性は1ドリンクまで。
「男性に多い心臓病に対して少々のアルコールはよく、逆にアルコールは乳がんに悪影響を及ぼすことから男女差をつけた」
(7) 赤身の肉は少なめに
牛肉、豚肉など赤身の肉は一日八十グラム以下、総エネルギーの10%以下までとする。できれば赤身の肉代わりに魚類などを。
(8) 総脂肪や油を抑える
脂肪の多い食品、特に動物性脂肪を抑え、総エネルギーの15%、 多くても30%以下とし、適当な植物油を控えめに使用する。
(9) 食塩、塩蔵物を抑えて
一日の総食塩摂取量は成人で六グラム以下に。塩分の多い食品を控え、調理や食卓での塩に替えて、香辛料やハーブを利用する。
「日本人は平均十三グラムを超え、六グラムはまだ現実的でないが、酢などで代用し、素材の味を楽しむ点でも塩、しょうゆを抑えるべきだ」
(10) 食品の貯蔵はしっかり
腐りやすい食品を保管する場合はかびを抑える方法を最優先。
(11) 保存は低温で
すぐ食べない腐りやすい食物は冷凍か冷却。家庭でも冷蔵庫に。
(12) 食品添加物や農薬残留に注意
適切に規制されていれば、知られる限り有害でない。だが、規制が不十分な場合や不適切に使用されれば、危険となりうる。
(13) 黒こげの食べ物は食べない
肉や魚は肉汁のこげたものを避け、直火の焼き肉、焼き魚、塩干く ん製の肉類は頻繁に食べない。
(14) 栄養補助剤に頼らない
勧告を守る人々にはがんのリスクを低下させるための補助食品、補助栄養剤はまず不必要であり、役に立たない可能性もある。
(15) たばこは吸わない
どんな種類のたばこも生産、宣伝、喫煙を抑制すべきだ。
「食道がんなどでは、いくら良い食生活をしても、喫煙の害が大きく、相乗作用も明らかで、禁煙項目を入れざるを得なかった」
□癌予防のための食生活14ケ条 (米国癌研財団)
食事内容: 野菜や果物、豆類、精製度の低いデンプン質などの主食食品が豊富な食事をする。
総脂肪量: 動物性脂肪を控え、植物油を使用して総エネルギーの15~30㌫の範囲に抑える。
体重: BMI(体重㎏/(身長㍍)×(身長㍍))を18.5~25に維持し、成人期の体重増加は5㎏未満。
塩分: 塩分は1日6㌘以下。調味に香辛料やハーブを使用し、減塩の工夫をする。(酢の使用も良い)。
身体活動: 1日1時間の速歩を行い、1週間に合計1時間は強度の強い運動を行う。
かびの防止: 常温で長時間放置したり、かびがはえた食物は食べないようにする。
野菜と果物: 1日400~800㌘または5皿以上(1皿は80㌘相当)の野菜類や果物類を食べる。
冷蔵庫での保存: 腐敗しやすい食物の保存は、冷蔵庫で冷凍か冷却する。
その他の植物性食品 1日に600~800㌘または7皿以上の穀類、豆類、芋類、バナナなどを食べる。
食品添加物と残留物: 添加物、汚染物質、その他の残留物は、適切な規制下では特に心配はいらない。
飲酒: 飲酒は勧められない。飲むなら1日男性は2杯(=日本酒1合)、女性1杯以下。
調理法: 黒焦げの食物を避け、直火焼きの肉や魚、塩干薫製食品は控える。
肉類: 赤身の肉を1日80㌘以下に抑える。(赤身の肉とは、牛肉羊肉、豚肉)。
栄養補助食品: この勧告を守れば、あえてとる必要はなく、癌予防にも役立たない。
■参考リンク
健康フォーラム:国立ガンセンター調べ
最新の癌の診断と治療
がんの知識
癌掲示板
がんについて
国立がんセンター:一般向けがん情報